胴長短足では落差が取れない
自転車雑誌やプロのロードレースに映っているロードバイクはどれもハンドル、サドルの落差がしっかりあってとても格好いい。
競技志向でレーシーな前傾姿勢を取る為だったり、足が長いため自然に落差がついてたり。
僕のようない胴長短足でゆっくり走る乗り方では落差なんぞ殆どつかないのが悲しい現実なのです。
ハンドル落差があるバイクはカッコいいなぁ~と思う反面「カッコつけてハンドルを下げても上半身支えられるだけの体幹がしっかりしてない辛いだけ」って話を聞いてたので下げる気もサラサラありません。胴長短足には夢物語です。
HGSBTフレームに試乗して分かったこと
先日、長野へ旅行した際にやまめ工房へお邪魔しました。やまめ工房とは元プロMTBライダーだった堂城(タカギ)さんがスクールをやっている工房です。
タカギさんのFBでよく取り上げていたHGSBTというクロモリフレームが物凄く興味があり、是非とも実物を見てみたかったのが目的でした。
HGSBTは尼崎の東畠さんというビルダーさんが作られているフレームです。やまめ工房のHGSBTはタカギさんが指定したジオメトリでBB下がり量が小さい、極短ヘッドが特徴的なフレーム。
極短ヘッドで目一杯ハンドルを下げ、そこから更に25°ステムという聞いたことのないステムでハンドルを下げてる変態マシン(笑)
並べてみると全くハンドル位置が違う。しかも僕のTADAの54サイズに対してHGSBTは55サイズだそうで。どうやって見てもTADAのが一回り以上大きく見えるんだが・・・!?
ハンドル位置が全く違うので試乗は考えていなかったがタカギさんが
「乗ってみたら?普通に乗れると思うよ」
「イヤイヤ無理でしょー」
「乗れるって」
アカンやろと思って乗ってみると全く普通に乗れた。というか、むしろメッチャ乗りやすい。
「あれ?・・・」
暫く乗ってみていると少しづつ違いが分かってきた。HGSBTフレームだとBBハイト位置が高いのでその分サドル位置が高くなってハンドルとの落差が出来やすいこと。体の前傾角度は変わってなくて、変わったのが肘の角度。肘を曲げてブラケット握ってたのがハンドルが下がった分だけ肘を伸ばしてブラケットを握ってる感じ。前傾は変わってないけど上半身の重さがペダルに掛かる感じが強く軽く回してるだけでグイグイ進む。
「ハンドルが曲がらないでしょ?」
言われてから意識してみるとホントにハンドルが切れにくくなってて曲がんない。
ハンドルが切れにくいと言うと一見ネガティブなイメージがあるけど、ハンドルを切って曲がろうとすると安定性が良くなくて、体重移動で後輪から倒すような感じで曲がると車体が安定するのでハンドルが切れにくいのは好ましい感じです。小さく8の字に回ると違いがよく分かりやすいです。
兎に角軽く進むレーシーな感じでHGSBTメッチャ欲しくなるフレームでした。思わずロングライドまったり仕様のTADA車との2台持ちもいいなぁ~とか思ってしまった。危ない危ない・・・
思った以上に好感触だったのでTADA車もハンドル落としても大丈夫か聞くと問題なしとの事。
「25°ステムがリッチーから出てるからソレでガッツリ落としてごらん」
胴長短足でもハンドル位置がガッツリ落とせる!!
やまめ工房で大収穫な1日でした。
『RITCHEY C220 STEM 25°』レビュー
長野旅を終えて帰宅後。早速25°ステムで検索したところリッチーのステムが見つかった。それ以外にもバズーカのステムもあったが上向きに付ける物のようで下向きで使えるかは怪しそうだったのでリッチーのステムを注文。
数日後、届いた!『RITCHEY C220 STEM 25°』
まずはお約束な重量測定。100mmで127gとマズマズな重さ。
今まで使っていたTNIのヘリウム6ステムを外します。ネジがトルクスなのがややマイナスポイントでしたがお手頃価格で超軽量、程よい剛性と良いステムでした。
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【軽量化ステム】TNI Helium6(ヘリウム6)ステム
目次1 ポジション調整で必須のアイテム『ステム』2 どうせステム買うなら軽量化もしたい3 『TNI Helium6(ヘリウム6)ステム 』レビュー4 まとめ ポ ...
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このステムの変わっているところは本体側の受けが180°ではなく220°で受けているところ。これでより安定してクランプ出来るようになっているみたい。僕が購入した物はボルト4本固定の内、雌ねじの一つがネジの入り始めの感触が良くなくて締めると舐めそうな雰囲気があったので何度も噛ませ直したところスッと入った。雌ねじの切れ始めの精度がイマイチだったっぽい。大手メーカーでもこんな事あるのね。まぁどうしても入りにくいようなならサクッとタップでさらって終了なんですが。
若干取り付けに手間取ったが交換完了。
ビフォー。
アフター。コラムスペーサーも抜いて5cm位思っきし下がった!見た感じも断然こっちのが良いね!
ブレーキワイヤーはそのままだったのでややダブついてブレーキの引きが少し重くなった。ポジションが落ち着いたらワイヤーを適切な長さにカットし直したい。
暫く乗ってみて
ハンドルを下げてから暫く乗ってみました。
ステムの剛性は高くたわむ感じはありません。ヘリウム6と比べるととかなりの剛性感です。僕はヘリウム位の剛性感が好きかも。
ハンドル下げて一発目のライドは淡路島でその時はまぁまぁの強度で一周(約160km位)走った。
体幹が疲れ上半身を支えきれなくなった時に腕で支えて肩首周りがメッチャ疲れるんじゃないかと心配していたけど、それ程でも無く最後まで結構体重掛けて走れた。翌日の筋肉痛は全身満遍なくといった感じで首肩が時に痛いということも無かった。
その次のライドはかきしま街道を負荷低めでまったり100km程走った。すると翌日、首肩に強烈な筋肉痛が・・・
その後も負荷低めで走ると翌日は同様に首肩が筋肉痛に襲われた。どうも負荷をある程度掛けていると上半身の重さをペダルに乗せてて、ハンドルにはあまり負荷がかかってなくて首肩の疲労が少ないみたい。負荷が低い時には体幹でしっかり上半身を支えていないとハンドルに荷重がかかりやすく首や肩に負荷が掛かって翌日筋肉痛になってる模様。それも乗るに従ってだんだんと慣れてきて今ではかなり筋肉痛は少くなってきました。
適当にホゲ~っと乗ってるとハンドル荷重でほぼ確実に筋肉痛になるので、最近は如何にハンドルへの荷重を抜いてペダルに乗せるかを意識するようになりました。
ブルベ勢の人でハンドルを下げたほうが最初はキツイけど慣れてくるとこっちの方が楽に走れると書いていた人がいたのですが、首肩を疲労させないように上手く荷重をペダルに乗せて走れるようになるからなんだろうな~と最近気づきました。
まとめ
良かったところ
ペダルに荷重を掛けやすくなってそこそこの負荷を掛けても長い時間維持しやすい。体の重さ(荷重)を意識するようになってくる。
悪かったところ
負荷が低い時にハンドルに荷重が掛かりやすく首肩に疲労が溜まりやすい感じ。慣れるまで首肩がメッチャ筋肉痛になる。エアロバーの安定性が悪い。
まとめると「ハンドルを下げると上半がキツイ」って話は本当でした。
ただしある程度は慣れてくるのと首肩の負荷を減らそうと必然的に荷重に気を使うようになったのは意外なメリットだと思いました。まだ負荷緩めで長い距離を走るのがキツイですが段々と上手く荷重を掛けれるようになってきてる手応えはあります。
誰にでもオススメ出来るとは言い難いですが、僕のように今までに感じなかった感覚が得られるかも・・・興味がある人はチャレンジしてみてね!
エアロバーに関してはハンドルを下げた分だけ低くなってしまい握るとめちゃめちゃ安定性が悪いです。前が見え難くなるのとフラフラしてしまい一度縁石にハスって転けそうになりました。下手すると事故になりかねないのでエアロバーはライザースペーサーで高さが調整出来る物が良さそうです。