買いやすい価格帯(2万円台)の多機能サイクルコンピューター
一昔前ではGPS付サイコンが1万円とか考えられない感じでしたが、最近は一万円以内で買えるGPS機能付きのお手頃サイコンがかなり増えました。
正直必要十分な機能があると思うんですが、使っている内にもうワンランク上のサイコンを使ってみたくなるのがサイクリストの性。
2万円台になるとナビ付きでかなりの高機能なサイコンが買えます。目ぼしい所だと
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この2機種あたりでしょうか。このあたりのサイコンになると大型液晶の多機能ナビ付きになります。
そしてこの価格帯に新たに殴り込みを掛けてきたサイコンが現れました。
それが『 iGPSPORT iGS630』です。
『 iGPSPORT iGS630』
販売価格:¥27,280(税込価格)
・GPS:GPS:GPS+Beidou+Glonass+Galileo+QZSS(フルGNSS)
・スクリーン:2.8インチフルラミネーションカラースクリーン
・重量:94g
・本体サイズ:92×52×16.5mm
・防水性能:IPX7以上
・メモリ:8GB(通常使用6000時間相当)
・データ表示機能: 100以上のサイクリングデータを選択可能、内蔵マップによるナビゲーション(GPX/TCXファイル対応)
・バッテリー:充電式リチウムイオン電池内蔵、バッテリー寿命 約35時間(通常使用時)
・ANT+/Blutoothセンサー通信対応:ハートレートモニター、スピードセンサー、ケイデンスセンサー、ケイデンス&スピード一体センサー、パワーメーター、スマートトレーナー接続、電動変速接続(SHIMANO/CAMPY/SRAM)
・ワイヤレス伝送:Bluetooth 5.0、スマートフォンのiGPSPORTアプリとBLEで接続することができます
・インターフェース:Type-C USB
・付属品:Type-C USBケーブル,標準マウント,マウントパッド,O-リングバンドX2,iGS630専用スクリーン保護フィルム, 落下防止ストラップ, ユーザーマニュアル
『 iGPSPORT iGS63』外観、付属品
色々興味が惹かれるところが有ったので購入しました。
無駄に箱が豪華ですw
付属品はストラップ、充電ケーブル、マウント。それと写真にはありませんが画面の保護シートです。保護シートはハードタイプの強度の高さそうな物でした。あとおまけでシリコンケースも付属していました。
本体重量(保護シート有り)でスペック通りの94g。
シリコンケースを付けて104g。
外観。右のライダー750と比べてみて画面サイズはほぼ同じ。写真ではそれ程変わらないように見えるが、実際ベゼル部が太いのと角の処理の違いでライダー750に比べてかなりダサい。
今回購入の一因となったタイプCコネクタ!裏表気にせずにケーブル挿せて2時間かからずに充電完了するのはメチャ素晴らしい!5時間どころの話じゃない位クッソ遅いライダー750と比べものにならない位早いです。
ボタンは左側面に戻る(電源)、右側面に決定(メニュー)、スクロール上、スクロール下、下側面にラップ、開始停止と配置されてます。程々にストロークがあり柔らかめのボタンで押しやすい。
マウントはガーミンマウントが使えます。
設定
電源を長押しすると起動しメニュー画面になります。ライド時は下部の再生ボタンを押せば記録が開始されデータフィールドに切り替わります。CPUが早く表示も割合サクサクと切り替わります。
まずはセンサー系の登録。「センサー追加」からペアリングするだけの簡単登録。
基本的に設定はスマホのアプリから接続すれば、ほぼ殆どの設定は出来るのでそちらから設定した方が早いです。
ファームウェアのアップがあればアップするか聞いてくるのでファームアップを選択すればダウンロード後、本体に転送再起動してファームアップします。
ページフィールド画面の設定。どのページをオンオフするか切り替えできます。
ページは大まかに分けるとデーターフィールド、マップ、
標高、トレーニングです。
表示しているデーター数とデータ内容は自在に変えれます。同一ページ内で同じデータを2箇所同時に表示出来ません。
なので、例えばこのページの上のスピードとその下のケイデンスの位置を入れ替えようとするとめんどくさい事になるのですが、入れ替えたい項目(スピードかケイデンス)を長押しするとドラッグで移動出来るようになり楽に入れ替え出来ます。
表示したいページを全部設定出来たらデータフィールドの設定が終わりです。
あとは個人のプロフィールデータを入力しておけば基本的な設定は終了です。
『 iGPSPORT iGS630』レビュー
早速使用してみました。が、いきなり問題発生。
走行後すぐに「調整成功」の文字が表示され続けます。何かボタンを押せば消えるのですが数十秒後にまた表示される・・・
ボタンをポチポチ押しながら「調整成功」画面をを消しながらナビを使ってみるとルートが道路に沿ってなく、ターンバイターンの距離がデタラメで酷い場合だと曲がる方向が逆だったり・・・
結局ライド時間の9割以上は「調整成功」の画面でまとも使えず散々な状態。ファーストインプレッションは最悪でした。
取り扱っている日直商会へ問い合わせたところ、クオークパワーメーターの自動校正が原因のようなので自動校正をオフにしてくれとの事でした。
後日パワーメーターの自動校正をオフにしたところ「調整成功」画面はでませんでした。まともに使えるようになって120km程走ってみた感想はサイコンとしての基本的な機能は問題無し。etap11sでのギアでローが0、トップが10、インナーが0表記なのに違和感があった位。(後に結構頻繁にファームアップがあってギア表記もトップ11、インナー1になり違和感無くなりました。パワーメーターの自動校正も無事対応しました。)
最初に満充電してから9時間程の使用にも関わらずバッテリー残量が半分以下になってて「なんでや???」となったのですがデフォルトで画面明るさが日中50%、夜間20%になっていたのが原因でした。
液晶はコントラストがはっきりしていてかなり見やすいので日中はバックライトは0%で十分。夜間は最低光量の10%でもめっちゃ明るいです。上のライダー750のバックライト最弱と比較すると明るさが全然違う。照度センサー付いてるのでトンネル等で急に暗くなっても直ぐにバックライト点灯します。
高度計はズレ気味です。補正は本体からのみで本体のボタンで数値を入力するのは意外と面倒。アプリで補正出来ればなぁ~って感じ。
ライド中の休憩等で電源オフにするとライド記録はそこで分割されます。ライド後にメニューから保存を選択すると自動でアプリへ転送しアクティビティとして記録が保存されます。
ナビについて
続いてナビについてです。
基本的にナビはアプリのロードブックからルートを作成し使用します。
マップ作成から出発地、目的地、必要なら経由地を設定して保存してルートマップ作成完了。
作成したマップをルート一覧からマップを選択してナビゲーションスタートで直接ナビ開始するか、デバイスに転送し本体からメニュー→ルート検索→ルートナビでルート選択してナビ開始するかのどちらかです。
ナビは各メーカーでルートコースの作り方に癖があります。igs630はかなり路地を選択する傾向が強く、直ぐに大きめの道路から路地に入りたがります。trimmOneLITEが路地に入る傾向が強いですが、それ以上に路地に入る印象です。
ちょいちょいこんな感じでルートが道に沿わず直線で引かれる事があります。こうなるとターンバイターンが出鱈目になったり道が無い所を走ったりとして非常に頂けない。コレが原因でナビは正直使い物になりませんでした。
しかしながら、頻繁なファームアップによってルートが道に沿うようになり問題だったところがかなり改善されました。上のしまなみ海道のルートもファームアップ前はいくら経由地を増やしても橋を渡らずフェリーを使ってしまい、全く思うようなルートが作れず使い物にならなかったのが橋を渡るようになり使えるルートが引けるようになりました。このあたりのフォローアップは素晴らしいです。
ルートも道に沿って進行方向も表示するようになり、とりあえず使えるレベルのナビになったと思います。
ただし、まだ怪しい点も残ってます。
これは近所から魔法神社という神社へ引いたルートなのですが、うす緑色でなぞった部分には道がありません。何故か途中まで川を道として認識し、そこから全く何もない所を走るというトンデモルートを引いてたのはファームアップしても直ってませんでした。
何処見ても地図に道ありません・・・
コレは街中だとあまり問題にならないでしょうが山の中だと結構一大事になりかねないので注意が必要かも。
あと気になった点として地図の倍率が50m,100m,200m,400m,800m,全体とあるのですが、基本が200mになっていて倍率を変えても10秒位で200mに戻っていまいます。ターンバイターンで交差点近くになると自動的に50mに切り替わるようになってますが、切り替わらなかったり曲がり箇所までの距離がおかしかったりして見逃す事が多々ありました。ルートを外れてもリルートせず「ルート外れ」と表示するだけなので気付かない事もありました。サウンド設定をオンにしておくとルート外れた時に音が鳴るらしいのでオンにしておいた方が良さそう。
先日、香川の坂出から徳島県境あたりまでナビを使ってみました。案の定というか路地に入りましたが、それなりに走れました。交通量と信号が少なくて案外走りやすかったです。
ルートに関しては、アプリで作成したルートが気に入らない場合はストラバやRWGPSのルートをDLして使えるようです。
まとめ
ココがポイント
こまめなファームアップ。見やすく明るい液晶。USBタイプCコネクタ。35時間駆動。サクサク動くCPU性能。
ココがダメ
パッとしないデザイン。何とか使えるレベルのナビ。高度補正がやや面倒。
ナビに過度な期待をしなければとても高性能でかなりオススメ出来るサイコンだと思います。
僕が使ってみた感じではハードウェアとしての魅力はライダー750、トリムワンライトの中では一番かな。ナビ機能を重視するならライダー750、それ程でもないならiGS630だと思います。
iGS630はツイッター等での細かな意見を吸い上げて、かなり迅速に対応してくれるメーカーの姿勢が一番良いところだと思います。ナビに関してもこの調子でファームアップしてくれればかなり良い物になっていくんじゃないでしょうか。